こんにちは、たじです。
前回ご紹介した「シャーロックの冒険」の次に読むとかなり楽しめる作品を紹介します。

タイトルは「シャーロック・ホームズの回想」
この作品はあの有名なジャームズ・モリアーティ教授との死闘「最後の事件」が収録されています。
今回は全12物語が収録された短編集です。
作者の意図により一部の出版社では11物語収録となっています。
「ボール箱」という物語は作者が世間体の都合上、削除しました。
不倫を題材にしており、世間の目を気にしたからだそうです。
結論
この短編集で一番の見どころはやはり「最後の事件」です。
犯罪界のナポレオンことジェームズ・モリアーティとの死闘を描いた作品です。
結末は皆さんがご存じの通りホームズとモリアーティは取っ組み合いの末、ライヘンバッハの滝へ落ちていきます。
ホームズは死亡しロンドンの犯罪界は消滅し、ロンドンには平和が訪れました。
最後の事件のあらすじは以下の通りです。
最後の事件とは?
ロンドンでは大きな犯罪が常々起きているが裏で糸を引いているには一人の人物だとホームズは言っています。
世間的に数学界のパイオニアで誰もが認める教授『ジェームズ・モリアーティ』
ロンドンで多々一人だけ彼が犯罪界のナポレオンだと断言しています。
もちろん、彼の耳に犯罪者と呼ばれていると入れば、間違いなく名誉棄損で訴えられることでしょう。
彼が犯罪をしているという形跡はどこにもないのです。
善良なる教授は犯罪界のナポレオン。
この真相にたどり着けたのはシャーロック・ホームズただ一人です。
天才の教授対ロンドンが誇る名探偵の一時の油断ができない熱い戦いに伝記者ジョン・H・ワトスン博士も参戦します。
教授の力を使えば、一人の市民くらい24時間365日監視することも容易です。
ホームズは監視されながらも天才的な発想で教授の網をくぐり抜け、ロンドンから脱出します。
ホームズの目的は教授が持つ組織の完全な消滅です。
そのために確たる証拠を集め、警察に届けています。
そして組織が消滅する日までホームズは逃げることに専念します。

見どころはここ。
まず、モリアーティ教授が数学界のパイオニアであることです。
いくつかの論文を発表しており、表の顔では犯罪者に見えません。
自らをカモフラージュする技術が高すぎます。
長編「恐怖の谷」でモリアーティ教授の年収が700ポンド(約1680万円)であることが確認できます。
さすが教授職、お金には困ることはないですね。
教授は基本的にクモです。
クモは糸から伝わる振動で獲物がどこでどんな姿でかかっているかわかる生物です。
自分から犯罪に手をあげずにあくまでも実行犯のアシストに徹底しています。
自然な事故に見せる技術では彼の右に出る者はいないです。
その技術をくぐり抜けるホームズは名探偵どころか少しのバケモノと感じても仕方ないことです。
ホームズの名言で「君を確実に破滅させることができるならば、公共の利益のために僕は喜んで死を受け入れよう」ということからホームズは今回の戦いが最後になることを読んでいました。
こんな人におすすめです
・モリアーティ教授との闘いが読みたいかた
・推理小説がよみたいかた
・読書感想文の一冊をお探しのかた
・名探偵コナンをもっと楽しみたいかた
・名探偵コナン「ベイカー街の亡霊」をもっと楽しみたいかた
今回のまとめ
ホームズシリーズで熱い戦いが繰り広げられる「最後の事件」
連載当初はこの作品を最後にホームズの読者が多く離れていき、作者アーサー・コナン・ドイルのもとにたくさんの抗議文が届きました。